君一色

和音side*


――――――――――――――――


恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい!!
めっちゃ泣いてるとこ見られてしまった。
しかもあんな大量なお菓子……。

――失恋のやけ食いだとか、馬鹿か私は。

それよりも、鼓乃実と別れてから、随分遠くまで来たんだな……。

私の家なんて、とっくに通りすぎてる。
転んだ衝撃で我に帰ったけど、私…相当やばいな…。

「もう8時過ぎか……」

青に変わった信号を見つめながら立ち尽くしていると、携帯が鳴った。

今のこんな震えた声で、電話なんて出るべきじゃないのに、

ほぼ無意識に通話ボタンを押す。
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