君一色
一日の最後、こうして君の顔をみることが楽しみで、毎日漫画を貸しに来ていた。
「そういえばさ、西野「西野ーっ!」………ぁ」
私が口を開いたとき、西野は誰かに呼ばれてしまった。
「悪い、南。じゃあな!」
そう言って手を振ると、教室の中に入っていってしまった。
……今日は一言会話しただけかぁ……。
ちょっとがっかりしながらも、自分も帰り支度を始めた。
「和音!また隣行ってたの?」
「あ、うん。」
「青春だねぇ」
“青春”って…。またこれか…