君一色


話すと言っても
外は寒いし、だからってどっかの店で話すような気分でもないし。

結局家に帰って来てしまった。








普通に靴を脱ぎ、中に入る俺には続かず
和音はずっと玄関の一歩後ろに立ちすくんでいた。


「・・・どした?」


「・・・昨日、高瀬さんに言われたのに。私、出て行かないって・・・馬鹿な事言っちゃったから」



「ーーー取り敢えず、入って?ちゃんと話したいから。」


馬鹿なことしてるのは俺の方なんだけどな。

自分の行動、言動ひとつひとつが和音を悩ませていることを実感する。



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