君一色


電話を置いてキッチンに向かうと、
高瀬さんが顔を覗かせる。


「何?出かけるの?」


「あ、はい。夕方ちょっと・・・」


「今日祭りみたいだしね。夜遅くなるんだったら今日買い物行かないけど。」

「いえっ、私は祭り行きませんよ!友人の浴衣の着付けして来るだけなので。」



そういうと、高瀬さんはじっとだまる。
そして
私の顔を見つめた。


「・・・え??」


「———あんた、受験生だからって勉強し過ぎじゃない?最近ひきこもってばっか。」


「行くとこないんですよ!それに絶対受験失敗する訳にはいかないんですっ!!」

「息抜きもいるでしょ。彼氏とでも行ってくれば?」

「なっ?!彼氏なんていませんっ!!!」



思わずムキになって大声をあげると、
今まで真顔だった高瀬さんが少し表情を緩める。




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