白銀色の花卉‐ギンイロノカキ‐
 

何年ぶりだろうか、享ちゃんの弟の賢二なら同級生だし、いつも学校で会ってるけど。

彼は私より2歳上だから、今は大学生と高校生でなかなか会えないのだ。

そんな享ちゃんの、少し昔の面影が残った横顔を見て、私はやっと心から安心した。


「あ、荷物!」


あのとき地面に落とした荷物を思い出し、キョロキョロと辺りを見回して荷物を見つけるとササッと駆け寄り、手持ちの所を持ってグッと持ち上げようとすると横から享ちゃんが軽々と持ち上げて一言。


「行くぞ」


彼が目線を向けた先に車があって、私は大人しく享ちゃんの後ろをついて歩きながら「ありがとう」と呟いた。

うんと、彼が頷いてくれた。

それが、とても嬉しかった。

 
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