天神学園高等部の奇怪な面々30

「くしゅんっ！」

天神学園校舎の廊下。

かなこはクシャミを一つ。

まさか生徒会長に噂されているとは夢にも思うまい。

鼻を軽く擦りながら、彼女は廊下を歩く。

部活でもない、授業でもない、勿論補習な訳がない。

自主的に夏休みの学園に登校してきて、校舎の修繕をしている。

先程用務員の小岩井とバッタリ遭遇し、仕事を手伝ってくれるお礼にと、学食で昼食をご馳走になった。

好きで勝手に修繕をしているのに申し訳ないなと思ったのだが、あれでなかなか小岩井も強引で。

仕方なくお言葉に甘える事にした。