二重人格な後輩
誰にどう思われても気にならなかった俺が、こんなに気にしてんだもんな。
「はぁー」
「おいおい、そんなに佐倉先輩のことが好きなのかよ!?」
驚く純に、「そうだよ。悪いかよっ!」と言って、机に突っ伏す。
俺がこんなに一人の女に執着する日が来るなんてな。
「マジかよ。俺が狙ってたのに」
「諦めろよ?ってかお前には吉田がいんじゃん」
昨日とか、純は気持ち悪いほど吉田に引っ付いてたし。
だから、俺は桃と二人でいること多かったっていうのに、なんか桃は様子おかしかったし。
「まぁな。吉田先輩はいい!大人っぽいのにたまに子供みたいで、笑顔なんてもうっ!!」
そんな純を無視して、桃のことを考える。
俺って、いつのまに桃がこんなに好きになってたんだ?