二重人格な後輩
シャワーを浴びて、泣きすぎて腫れた目をメイクでごまかし、制服に着替える。
朝食は食欲がないから食べないで、家を出た。
学校に着いて、下駄箱を開けるだけで緊張する。
「ふー」
息をゆっくり吐いて、呼吸を整えてから下駄箱を開ける。
そこにはあたしの上靴はなく、一枚の紙だけが置いてあった。
また、か……。
あたしはその紙を開いて中を見る。
『これからも近づかないで。いっそ姿消しちゃって。その方がみーんな喜ぶよ! 涼ちゃんに助け求めないでよ。涼ちゃんを苦しめたくなかったら、ね?』
いつもの内容。
相手は、愛梨ちゃんしかいない。
涼ちゃんと呼ぶのは愛梨ちゃんくらいだし。