二重人格な後輩



「桃、もう大丈夫だからな」


……誰?


閉じていた目を少しだけ開ける。



視界がはっきりとしてないから、誰かは分からない。


でも、優しい声。


安心する力強い腕。




「桃っ……」


名前を呼ばれるだけでドキドキする。



あたしは夢でも見てるのかな?


最後だから、こんなにふわふわして、安心しているのかな?




「もっと俺を頼れよ……」


悔しそうなその声を最後に、あたしは意識を手放した。






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