二重人格な後輩




お願いだからっ……!!




「っっ……」



声にならない声が出る。


あたしは、川原を駆け下りて倒れてる人に駆け寄る。




「涼太くん!涼太くんっ!!」




倒れてる人は……涼太くんだった。



制服は乱れて、ボタンも何個か外れている。



顔には、痛々しい切り傷と無数のあざ。



涙が溢れだす。

涼太くんの頬にあたしの涙が落ちる。



どんどん、涼太くんの頬があたしの涙で濡れていく。

止まらない涙。




涼太くん、なんでこんなことになってるの?


涼太くんの肩を持って、少しだけ体を起こさせる。




ねぇ、起きてよ。


いつもの笑顔で笑ってよ。




涼太くんっ!!





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