二重人格な後輩
「離れようとすんなよ。俺が守ってやるって言っただろ?」
あたしは、コクンと頷く。
言われた。
嬉しかった。
でも、守られるだけじゃダメだったんだよ。
「でも……」
涼太くんは、あたしを引き寄せて優しく抱きしめてくれる。
すっぽりと涼太くんの体に包まれてしまう、あたしの体。
「……無事で良かった」
あたしをギューッと抱きしめて、耳元でそう言われた。
涼太くんがどれだけあたしを心配してくれていたかが分かる。
「涼太くんが守ってくれたからだよ」
だから、あたしは無事だったんだ。
涼太くんがいなかったら……。