二重人格な後輩
その教え方は普通に分かりやすくて、頭が悪い俺でもすぐに理解できた。
それから、学校案内が終わる時間ギリギリまで桃に勉強を教えてもらった。
教えてもらってる時は自然に体も近くなり、時々桃の甘い香りが漂ってきた。
あの時、入学式の時に花をつけてもらった時と全く同じ甘い香り。
「じゃあ、あたしは自分の教室に戻るから。テスト、お互い頑張ろうね?」
「はい!」
手を振って桃は教室を出て行った。
それと同時に学校案内してもらった、クラスメイトが戻ってくる。
「涼太!お前、佐倉先輩連れて行ってなにしてたんだよ?」
「別に」
純に冷めた態度をとっていたが、内心は俺ではありえないくらいに気分は上がっていた。