オオカミヤローに捕らわれて
ハテナマークを頭の上にフヨフヨ飛ばし、成り行きを見守る。


たくさんの女の人と男の人は、バッと一斉に頭を下げ始めた。


「「「「お帰りなさいませ、お坊ちゃま」」」」


……お坊ちゃま?


「ああ、ただいま」


返事をしたのは私をここまで担いで来た、ゴールドブラウンの髪の美少年。


私はギギギとサビついたブリキの人形みたいに、その人の方に顔を向けた。


「ま…まさか……ここって………」


そこまで言うと、彼はニーッコリと笑ったのだった。


「そう。ここ、オレの家」


……ねぇ皆。


お金持ちって、いるんだね。
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