オオカミヤローに捕らわれて
吹雪が落ち込むワケが分からず、首を傾げるオレ。


一瞬だけ悲しそうな目をした吹雪は、次の瞬間思いっきし微笑んだ。


「そうだね……帰ろっか、統牙!」


「お…おお」


なんだ…?


何だったんだ?今の吹雪の悲しそうな顔……


不思議に思うも、深く追求する事が出来ないまま、オレの家に戻る。


「統牙お坊ちゃま、どこにいらっしゃったんですか!?」


吉良が一目散に駆け寄って来て、オレを問い質し始めた。


「あーー…部屋にいた」


「ウソ仰らないで下さい!お部屋に探しに行きましたけど、いなかったじゃないですか!!」
< 239 / 430 >

この作品をシェア

pagetop