ヴァージニティー
「よう、隠れなくてもよろしおす」

祖母が2人に向かって、優しく微笑んだ。

「これからは堂々と過ごおくれやす。

あんさんたちン関係を咎(トガ)めるもんは、どなたはん1人もおりません」

祖母の言葉に、夕子は泣きそうになった。

「――おばあちゃん、ありがとう…」

夕子は震える声で祖母にお礼を言った。

朝人はそっと、夕子の肩を抱き寄せた。

「おばあちゃん。

僕たち、幸せになります」

朝人の宣言に、祖母は優しく微笑んで答えた。

☆★END☆★
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