ヴァージニティー
謝る朝人に、夕子は訳がわからなかった。

「苦しんでたんだろ?

あんなヤツに俺たちの関係がバレて」

そう言った朝人に、チクリと、夕子の胸が痛んだ。

躰を離したと思ったら、朝人に見つめられた。

「昨日、夕子を尾行したんだ」

そう言った朝人に、
「…えっ?」

夕子は聞き返した。

(尾行したって、どう言うこと?)

「そしたら…」

呟くように話を続けようとしようとする朝人に、
「――ごめん」

夕子は呟くように謝って、朝人の胸に自分の顔を埋めた。

「あたしのせいで…」

「夕子が悪いんじゃないよ。

気づかなかった、俺も俺なんだから」

朝人の両手が自分の背中に回った。
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