想い綴り
ついこないだまで、
ただ遠くから見てることしか出来なかったのに。
でも今は…
「なあ、俺、葉月の手料理食ってみたい。」
「えっ、いきなり言われたって、カレーとかしか出来ないよ!?」
「葉月の手料理ってのが、ポイントだろ?」
こんな風に欲しかった眼差しが目の前にある。
「…俺、にんじん嫌いなんだよね」
「いい年して…残したら、もう作んないからね?」
「いや、食いますよ?…はづ…
…かなえの作ったもんなら」
知りたかったの
いろんな顔の若杉を…
ずっと近くで見てみたかった
「って……何、呼び捨てにしてんのよ///」
「…別に?みんな呼んでんじゃん」
「みんなって…女の子はでしょ?男子に呼び捨てされたことなんてないもん」
「…え………マジで?」
「なによ、悪い?」
…驚いた顔も
嬉しそうな顔も
「やべー…俺がはじめて?」
「…悪かったわね!モテなくて」
「やべー」
「ヤバイッて…きゃっ」
ギュッと抱きしめる腕も
その腕のぬくもりも。
「かなえ…もう他に呼ばせないで」
「は…?なにが?」
「俺以外に“かなえ”って呼ばせないで」
ずっとずっと…
あなたのそばで見てみたかったの。