想い綴り








中庭の
小さな池の横にある大きないちょうの木


会話なんて
ここからじゃぜんぜん聞こえない


でも











「……てめぇら何してんだっ!!…」








大柄な男共に囲まれた亜依の強ばった顔に



一瞬で

身体中の血液が逆流した











中庭に響く俺の怒鳴り声に

連中の驚いた視線



その中に
久々に見えた

……亜依の顔












「……ダメだわ俺…」










合わせる顔ないとか 仕方ないとか


もう嫌われたとか…



いろいろ頭に浮かぶけど







もう俺…
アイツじゃなきゃダメかも


だって
視線ひとつでこんなに心臓にくるんだ











「お前らっ!!ソイツに指一本でも触れてみろよ!?ぶっ飛ばすからな!?」








窓から身体を乗り出して、これでもかってくらいのでかい声。

なりふり構わず教室を飛び出す俺





こんな俺…

きっと俺らしくない

でも







どうしても
亜依がいい






階段すっ飛ばして
もつれた足で中庭駆け抜けて


亜依の姿を見つけた途端、頭でじゃなく身体が勝手に動いた










「コイツは俺んだっ!!勝手にさわんじゃねぇよ」











小さな亜依の肩を
しっかりと腕の中におさめて

伝わる温もりに
深く息を吐いた






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