想い綴り
「あれっ?六花ちゃん。どしたの?」
事務所のドアを開けた途端、聞こえてきたのは
いきなり現れたあたしに驚いてる店長の声。
おもむろに、なんでいるの?って言わんばかりの表情で
自分の席から顔を覗かせた。
「いや、これ…残業って言ってたから…シグレは?」
バスケットを手渡して、キョロキョロ事務所内を見渡しても
シグレの姿は見られなかった。
給油してる車の側にはいないみたいだったし…
ピットかな?
そう思って、
車の修理に使われてるピットの方に顔を向けた時だった。
なんだか、みんなの反応が変な気がして、
首を傾げるあたしに聞こえたのは
「…シグレ…今日、朝から来てないよ?もともと休み取ってたから、てっきり六花ちゃんとデートって…違うの?」
ちょっと困ったような店長の声だった。