家族ごっこ

「あぁ、いいことを思いついた。」


「・・・・?」


涙やら鼻水やらで汚い父親の顔を覗きこむ。


「せめて寂しくないように、手を繋がせてあげるよ。」


「え・・・・?」


「ほら、2人の手を取って。」


父親は訳が分からないらしく、困惑した状態で2人の手を握った。


「うん。それで寂しくないよね。僕って優しいなぁ。」


両手を広げて天を仰ぐ。


ガシッと父親の頭を掴み、胸に包丁を突き立てた。


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