いつか見る青
「一郎氏は4人兄弟で2人のお姉様と弟さんがいらっしゃるんですが、まさかあそこまで会社が急成長するとは思っていなかったので、ご姉弟は文具店の経営にはノータッチだったんです。一郎氏だけで充分だろうと。家業は長男が継ぐもの、という考えもありましたしね」
「あ~、祖父の時代は特にそうでしょうね」
「お姉様はそれぞれ嫁いでしまわれて嫁ぎ先での生活がありましたし、弟さんは公務員として就職なさいましたので、五平氏の死後、経営は一郎氏一人の肩にかかってきました。そういうことが、社長がワンマンとなるのに一役買っていた訳です」
そこで、神崎さんは僅かに躊躇してから言葉を繋いだ。
「本来でしたら、今頃は碧さんが跡を継いでいらしたはずなんですが……」
私は思わずドキリとする。
「みどり」というのは私の、死んだお父ちゃんの名前だ。
「もちろん、今、各支店を任されている店長さん達も社長のお眼鏡にかなった優秀な方達ばかりですし、社長はその方達に跡を任せ、自分は引退なさろうと何度か考えたことがあったそうなんです」
「あ~、祖父の時代は特にそうでしょうね」
「お姉様はそれぞれ嫁いでしまわれて嫁ぎ先での生活がありましたし、弟さんは公務員として就職なさいましたので、五平氏の死後、経営は一郎氏一人の肩にかかってきました。そういうことが、社長がワンマンとなるのに一役買っていた訳です」
そこで、神崎さんは僅かに躊躇してから言葉を繋いだ。
「本来でしたら、今頃は碧さんが跡を継いでいらしたはずなんですが……」
私は思わずドキリとする。
「みどり」というのは私の、死んだお父ちゃんの名前だ。
「もちろん、今、各支店を任されている店長さん達も社長のお眼鏡にかなった優秀な方達ばかりですし、社長はその方達に跡を任せ、自分は引退なさろうと何度か考えたことがあったそうなんです」