××倶楽部

「じゃあ、私がやりたいことやらせてよ!」


 スミレ様も負けずに怖い顔して社長とおでこを突き合わせた。

 カップルの喧嘩みたいだ。



「…………わかりました」


「やった!」


「そのかわり、僕がピアスをあけてくれる専門医療機関を調べてスミレさんを連れて行きます。勝手にそのへんで開けちゃだめですよ? いいですか?」


 スミレ様は、うん、と大きく頷いて聖夜大好きーとますます抱きつく。



「わーい! 久々に聖夜とデートできるね。なるべく早く病院みつけてね」


「この前の傷が完治してないじゃないですか!」


 ううっ、デートの約束してるし……


「お手洗いいってきまーす…………」


 私のことなんて視界に入ってないのか、社長とスミレ様は、今日も消毒しましょう、やだもう大丈夫、と二人の世界にどっぷりだ。



 社長を好きになるってこういうことなんだ。



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