××倶楽部
「明日は、雫をこっちに連れてくることにするよ。今、ネットで調べていたらツワリは人と話したりすることで気分転換し吐き気を和らげたりすることができるらしい。
俺が無理言ってバイト辞めさせたから、雫のツワリは余計に酷くなったんだ」
反省しているのか、そうじゃないのか、全く読み取れないお兄ちゃんの口調に一応頷いた。
「ようするに、良かれと思ってやったことが裏目に出た。
典は芽依を溺愛するばかりに、他の男から遠ざけた。男を知らない芽依は社会に出て典の拘束からほんの少し離れただけで簡単に恋におちた。
芽依、明日は雫の話し相手になってやってくれないか?」
「お兄ちゃん、うん、それはもちろんいいけど、だけど私と典のことは……」
「芽依と典のことも、少し気分転換すればいい。お互いどれほど相手を必要としているか気がつけばいい。
なに、簡単なことだ。俺にとって芽依は可愛い妹だし、典は可愛い弟だ。俺は典の味方しかできないだけの話。
まあ、悩め妹よ。おやすみ」
お、お兄ちゃん…………
私のモヤモヤした脳内を、よりいっそうモヤモヤさせてくれた。
社長と楽しくて幸せなデートができたのに、なんて後味が悪いんだろう。