××倶楽部

「んっー!! んんん、んんんっーん!!!」


「え? 社長?」


 スタッフルームに入ると、まず視界に飛び込んできたのがガムテープで椅子にぐるぐる巻きに拘束された社長。

 口には猿ぐつわを噛まされていて、涙目で何か叫んでる。


 にげて、ってこのこと?



「待ってたわよ、芽依ちゃん」



 視界に立ちはだかるは、マーベラスの人気女王リオ様。

 凛とした表情で、冷たく私を見下ろすと、そっと腕を組んだ。




 こ、こ、こ、こわいっ!




「二人きりで話しましょう。ついてきなさい」


「り、リオ様ぁ……」


「はやくしなさい」


「は、はい……」


 後ろ髪引かれる思いで社長のほうに振り返ると、ドアがピシャリと閉じられる。中からは、社長の、んーんーっ! と叫ぶ声だけが響いていた。





< 190 / 378 >

この作品をシェア

pagetop