××倶楽部

 三角木馬から逃れられたら、今度はミーナ様の徹底監視状態。

 しかも今日はお母さんがいないから、お兄ちゃんと雫さんと、それに典まで泊まりにくるっていう最悪のコンディション!


「ミーナ様……うち汚いし狭いし、それに気持ち悪いオタクのお兄ちゃんまでいますよ? 美少女戦士が大好きなんですよ」


 雫さんには失礼だけど……ごめん、お兄ちゃん。お兄ちゃんが本当は優しいお兄ちゃんだってことは、心の中だけで留めさせて……



 ミーナ様がギャハハと大声で笑うから、自転車がぐらぐらと揺れる。


「危ないですってば!」


「オタクの兄ちゃん、絶対見てみたい! アハハ! なんでそんな可笑しすぎる情報隠してんだよ!」


 背中をばしばしと叩かれて、なすすべがない。もうどうにでもなれ! と自転車をこいだ。



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