××倶楽部

 フローリングの床に殺風景な部屋。シンプルな家電に、ダイニングテーブル、パソコン机、ここが男の人の一人暮らしの部屋か……と高鳴る心臓を押さえながらミーナ様と社長の部屋に上がりこんだ。


 一番奥の寝室には、少し広めのベッドに氷枕へ頭を沈めて寝苦しそうに呼吸するリオ様が横になっている。

 美しい顔をしかめたまま無理して眠っているようにも見える。



「リオさま……すごく具合悪そうじゃないですか!」


 小声で社長を咎めると、社長は眠そうに目をまばたきさせて下を向く。



「はい……三十九度も熱があるから夜間診療のお医者さんに連れて行こうとしたのに、やだ、って言い張るんです……」


 リオ様のいる寝室のドアを一度しめて、明るいダイニングに移動した。


「はあ? ガキじゃねーんだし、病院いかなきゃなおんねーだろ? 店サボって二人で何してたんだよ!」


 社長はくたびれたように、すみません、と謝った。






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