××倶楽部

「リオさんは、子供の頃から極度な医者嫌いでして……注射も薬も大嫌いなんですよ。だけど僕が隣にいると眠れるからって言われて、自分まで居眠りしちゃいました。すみません、仕事サボって……」


「聖夜……」


 ミーナ様は、それ以上何も言わずに社長の首に腕をまわすと、よしよし、と頭を撫でた。


「わかったよ。リオは我が儘だからな、女王だし。病院へは明日あたしが連れてくよ。

 芽依、おまえどうする? もう遅いし、あたしはここに泊まるけど」


「え……私は……」


 ミーナ様は社長を抱きしめたまま私をギロリと睨みつけてきた。

 か、か、帰れってことですか? なんなんですか! その邪魔者扱い!


 み、ミーナ様、超肉食系!


 まさかリオ様が本当に具合悪そうなのに、その隙に念願のお泊まりを実行!?

 私も泊まりたい。社長の部屋にお泊まりしてみたい…………


「あ、あの、帰ります……タクシー呼んでもらってもいいですかぁ?」




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