わたしに夢中させてやる!!
わたしの名前は春風美歩子。
気が強く元気な高校2年生。
生まれて恋愛とか全くしたことなくて全く『すき』という感情をしらない。
だけど今日わたしは告白する。
さっき言ったように『すき』といった感情なんてしらない。
みんながいなくなった教室で彼は頬杖をつきながら夕日を見ていた。
彼の名前は如月佐介くん。
クラスのアイドルだ。
確かにクラスの誰より美形だと思う。
わたしは会長の言った言葉を思い出した。
「君と同じクラスの佐介くんを惚れさせてよ」
なぜ会長が佐介くんを選んだのか。
佐介くんが私に惚れる事に意味があるのか。
無理だと思って楽しんでるんだ。
佐介くんは私になんて興味ない。
「なにやってんだお前?」
佐介くんが機嫌悪そうにこっちを見ている。
「さっ佐介くんこそなにしてんの?」
存在に気付かれて不意に言葉が出てしまう。
惚れさせるにはどうすれば――――
頭が混乱している。
「下校時刻だろ。帰らねーと親が心配すっぞ」
何をしているのか?
と聞いたはずなのにあっけなくスルー。
ここで引き下がるわけにはいかない。
「も!もしかしたら彼女とか?やっぱり彼女待ってるの?」
わたしは余計なことを口走る。
ここで逃がしたらダメだ。
「なんでそんなことお前に言わなきゃなんないんだ?」
佐介くんは不機嫌そうに席を立ち上がると私の横を素通りした。
ダメだ。今言うしかないんだ。
逃がしちゃったら、私の人生が!!!
「あなたの事が好きだ!」
不意にわたしは彼の手を掴みそう言った。