男嫌いのプリンセス
「みりいも辛いだろうけど、海都くんだって辛いのよ?それをちゃんと分かって」
「!!」
お母さんの言葉で、私は目が覚めたかのように、すっきりしていた
辛いとか、海都のためとか、そんな自分勝手なことは頭になかった
「みりいに出来ることはなに?」
ただ、ひとつしか考えてなかった
「……海都を取り戻す」
ただ、それだけ
好きだから
大好きで大好きでしょうがないから、足掻いてやるんだ
それがダメだとしても、気持ちだけは伝えたい
海都にばかり頼らないって決めて、勝負に挑んだのは自分だったじゃない
なのに、また、心のどこかで海都がなんとかしてくれるって思ってた
そんな自分が許せない
「お母さん、ありがとう。行ってくる」
「いってらっしゃい」
私は会見をやっているステージに向かって歩きだした