8月の花嫁

25

あてもなく彼女は歩いていた
何処をどう歩いてきたのかわからなかった


着いたのは小さな教会の前だった

大きな扉を開き中へ入ってみた

目の前に飛び込んできたのは大きなガラス窓から見える
果てしなく広く青い海の景色だった

誰もいない教会の中 
幾つもある椅子の3番目に彼女は座った

そして ただ 大きなガラス窓から見える 
キラキラと太陽に光る青い海をじっと見つめていた

しばらくして

「ここであの人にさよならをしないといけないよ....ね….」

彼女は


何かに 思い立ったように立ち上がり教会を出た

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