甘い唐辛子
「…何か球技をしていたのか?」

「え…あぁ、バスケをかじる程度にしていた。」


霞澄は、俺の手と自分の手を見比べていた。
俺は不思議に思いながらも、さっきの恥ずかしさが残っていて、あまり気にならなかった。

「そろそろ部屋に戻る。」

霞澄は突然言い、部屋を出て行った。


霞澄が出て行った途端に、心拍数が上がり、顔が熱くなったのを感じた。

こんなの初めてだ…


今までに無かった感覚に戸惑いながら、俺は布団に潜り直した。


あいつが来てから色々と可笑しくなった。
いや、俺が可笑しくなったのか……。


俺は自嘲の意味をこめて、鼻で笑い、瞼を閉じた。



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