甘い唐辛子
じゃあ男の子は…?
俺じゃないのは、確かだ
誰だ…?
そう思いながら、観察していると男の子が霞澄に近づいていった
その手は霞澄の頬を包み…
唇が重なっ……
「維十!!」
「おわっ!!」
耳元に大音量の声を受け、俺はまた電源を入れたように、一瞬で現実に戻ってきた。
痺れる鼓膜と、驚きでなかなか脳が働きださない…
やっと働きだした脳は、なぜ霞澄が俺のベッドに寝転び、上半身だけを起こしているのかを考えだした。
「な…なんだ…霞澄か……って、お前なんでベッドに入ってんの?」
「起きたらここ(維十の隣)にいた。」
……昨日の記憶が………
「…帰ってきて…
それから?」
「ここに来て、倒れた。維十、私の手を離さないからそのまま寝た。」
手を離さなかった…!?
「わ…悪い。」
「いい。寝難かった訳じゃない。」
恥ずかしい…