甘い唐辛子


じゃあ男の子は…?

俺じゃないのは、確かだ

誰だ…?



そう思いながら、観察していると男の子が霞澄に近づいていった


その手は霞澄の頬を包み…

唇が重なっ……




「維十!!」

「おわっ!!」


耳元に大音量の声を受け、俺はまた電源を入れたように、一瞬で現実に戻ってきた。

痺れる鼓膜と、驚きでなかなか脳が働きださない…


やっと働きだした脳は、なぜ霞澄が俺のベッドに寝転び、上半身だけを起こしているのかを考えだした。


「な…なんだ…霞澄か……って、お前なんでベッドに入ってんの?」

「起きたらここ(維十の隣)にいた。」



……昨日の記憶が………

「…帰ってきて…
それから?」
「ここに来て、倒れた。維十、私の手を離さないからそのまま寝た。」



手を離さなかった…!?


「わ…悪い。」
「いい。寝難かった訳じゃない。」


恥ずかしい…


< 110 / 212 >

この作品をシェア

pagetop