甘い唐辛子
背中に汗が伝うのを感じながら、ベッドから降りた。身支度を整え、部屋を出ると…
「若、おはようございやす。」
「「おはようございやす!!」」
「あぁ。」
廊下の両側に並ぶ組員達の息の合った挨拶に、軽く手を挙げて返事をし、その間を歩いていく。
後をついてくる組員は、全員恐面で、慣れてない奴は見るだけでも震えあがるだろう、と言った雰囲気をもっている奴らだ。
「若、お気をつけて。」
「「お気をつけて!!」」
「…あぁ。」
家のデカイ門を潜る時も、組員は挨拶してくる。
正直、ウザイだけだ。