甘い唐辛子
希波矢と海は、慌てて俺を引っ張り上げ、そそくさとその場を離れた。
暫く歩くと、興奮した様子の希波矢が話だす。
「初めて見た!維十を見ても顔赤くしないし、ビビらない女!!」
「…かなり上物だろ。あの女。」
「あ~、名前聞けば良かった!!」
海もいつもよりテンションが高く、俺を挟んで希波矢と会話をする。
さっき感じた違和感。
希波矢の言葉でわかった。
大抵の女は、俺を見て頬を染めるか顔を青ざめる。
俺を見ても無反応の女は、初めて見た。
だから、変な感じがしたんだ。
両隣で盛り上がる会話は、俺の耳に届くことはなかった。