君という海に溺れる




幸せが逃げると言われても、吐かずにはいられない。




(息が、つまる)




それくらい、今の居場所は苦しくて苦しくて。

ただ体だけが動いているような気分 。


この世界に、俺が呼吸する場所などあるのだろうか。


そんな答えの見つからない自問自答を一人、毎日繰り返していた。




「上手く、いかないなぁ…」




好きなことをするために上京してから一年。

お陰さまでバンド活動は出来ている。

インディーズとはいえ人気がないわけではないと思うし、いろいろ問題はあったけど仲間にも恵まれてる。


好きなように歌えて、それが許されて。

周りから見たら十分すぎる環境を与えられているのかもしれない。


それでも、どうしても拭えない違和感を感じていた。




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