この声が枯れるまで
「ra~ra~ra~rarara~」


俺は、授業が終わると、一目散に家に帰ってはギターの練習を始めた。


「隼人ー。最近サッカーしなくなったじゃん。どうした??」

「隼人最近、ノートに音符書いてるんだって?何があった?」

クラスでは、そんなことを俺に聞いてくる人が増えた。みんなは、普通の小学生。学校が終われば、テレビゲームでずーっと遊んだり、サッカーしたり、野球クラブに入って、練習してたり。でも俺はギターがある。


「はーやとっ!!」

「連児ー!」


連児は俺の幼馴染で、俺の心友。


「最近、隼人の家から音楽ながれてくんだけど~。兄ちゃん、ギターひいてるんだっけ?」


「チッチッチ!!!俺が弾いてるんですよ。ギターを。」


俺は、得意そうにそういった。連児には、今まで負けっぱなしだったから少しは自慢したいんだ。連児は、頭もいいし、運動神経もいい。なんでも、中途半端な成績の俺より、はるかに連児は上だ。




「おー。すげーじゃん。やっぱな~、隼人いつかは、ギター始めると思ってた。」


「うっそ!俺の運命は昔から、決まってたって事?」

「隼人なら、メジャーになれるって。がんばれよ!」


”メジャーになれる”かあ。なんか自信ついてきた…かも。




「おう!頑張る。」




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