〜夢叶〜
絶望

絶望のはじまり

私は再会した時

どう言おうか

どう接するか

思いを巡らせた

えみ。

どこにいってたの?

心配したんだよ!

そう言って

抱きしめたい。

早く会いたいよ…




深夜の駅は静寂だ。
父親が車で迎えに
きてくれたみたいで
私を見つけてクラクションを
鳴らした。
なぜかほっとした。
出口が見えない
光さえも覆いつくす
ような暗闇に
飲み込まれそうになった
からだ

寝てないからか、
めまいもする

「お父さん、
迎えにきてくれたんだ」
「あぁ」
「話したいことって?」
父親は私と
目を合わせようとせず
口元が震えていた
「お父さん?」
車は気付けば家とは
違う方向に向かっていて
えみの家に近付いている
「ゆり、落ち着いて
聞いてほしい」
「え?」
「落ち着いて聞いてほし
いんだ…」
「わかった…教えて」
あることを
考えることを
頭では拒否していた
さっきからサイレンを
鳴らしたパトカーを
何台も見た
違う、違う、違う
なに私考えてるの?

父親は大きく深呼吸して

雨水が滴る窓をみた

息を飲み込む音が

聞こえる位静まった時

父親は

私を見て言った

「えみちゃんは

もうこの世に

居ないんだ」
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