溺れる唇

「あそこの海鮮粥が俺の定番なんだ。
二日酔いの時の」

二日酔いの笠井さんなんて、見たことが
ないと思ってた私は、
びっくりして目を上げる。

「量が多いから1人だと残すかもしれない
けど、俺もあんまり胃の調子良くないし。
2人で食えば大丈夫だろ」



・・・気づかって・・・くれたんだ。





私は、笠井さんの体調に気づけなかった。


そして、今また向けてくれた、優しさにも
気づけなかったのに。



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