幸せ家族計画
ゆっくりとお腹を撫でて、綾乃ちゃんは涙をぬぐう。
紗優は心配そうに彼女を一瞥してから
「おなか、さわってみてもいい?」
と尋ねた。
「まだ何にも分からないよ。でもどうぞ」
「うん。ここにいるのかなー。こんにちはー」
嬉しそうにお腹をさする紗優の頭を、綾乃ちゃんが愛おしそうに撫でてくれている。
何だかほほえましい光景。
綾乃ちゃんも、少しは元気になったかな。
何も、根本を解決するようなことは言ってあげられなかったけど、私が言って楽になる事でもないのだろう。
これは、彼女と達雄の問題なのだから。
その時、ようやく和んだ空気を再び緊張させるかのように電話のベルが鳴った。
「もしもし」
『紗彩? 俺。今から帰るから』
「もう? 早いわね。達雄は?」
電話が来てから、1時間くらいしか経ってない。
飲んでくるにしちゃ、短すぎるんじゃない?