幸せ家族計画
「あ、綾乃」
「なに?」
「俺、見たんだ。あの、検査薬」
「えっ? ゴミ箱あさったの?」
「違う! たまたま蹴り倒しちゃったんだよ。
それで、……結果も見た。
あれ、本当なんだろ?」
「……」
綾乃は顔を赤くして、小さく頷く。
ズンと何かが腹のあたりに落ちたような感覚がする。
やっぱり、居るんだ。
俺たちの赤ん坊。
相川さん、なんて言ってたっけ。
ああ思い出せない。
俺ってどうしてこう肝心な時に良い言葉が出ないんだろう。
「あ、ありがとう」
「え?」
「俺は、嬉しい」
「達雄……」
綾乃からの視線を感じる。
まっすぐに受け止めてやればいいのだろうが、何故だか照れ臭さが先に立って、仕方なく手を握る。