幸せ家族計画
そして、綾乃を見て一度ウィンクをする。
「綾乃ちゃん、会うのは初めてだね。
俺、随分昔から君の話ばかり聞いてるから、全然はじめましてな気がしないけど」
「え?」
「予想よりしっかりした感じなんだね。達雄の話だと、もっとなよっとしているようなイメージだったけど。
それは達雄の願望だったのかもね」
「おい!」
「はは。ごゆっくり」
からかうように茶々を入れられ、俺たちは赤い顔で見つめ合う。
英治はそのまま、先ほど紗彩とサユちゃんが消えて行った部屋へと入っていった。
途端に、部屋を覆うような沈黙。
こんなことなら向かい合わせに座れば良かったのに、
隣に腰かけているから、表情を読むのにも苦労する。
でもここで頑張らなければ。
俺は本当の意味で、一家の主になるんだから。