幸せ家族計画

そして、綾乃を見て一度ウィンクをする。


「綾乃ちゃん、会うのは初めてだね。
俺、随分昔から君の話ばかり聞いてるから、全然はじめましてな気がしないけど」

「え?」

「予想よりしっかりした感じなんだね。達雄の話だと、もっとなよっとしているようなイメージだったけど。
それは達雄の願望だったのかもね」

「おい!」

「はは。ごゆっくり」


からかうように茶々を入れられ、俺たちは赤い顔で見つめ合う。

英治はそのまま、先ほど紗彩とサユちゃんが消えて行った部屋へと入っていった。


 途端に、部屋を覆うような沈黙。

こんなことなら向かい合わせに座れば良かったのに、
隣に腰かけているから、表情を読むのにも苦労する。

でもここで頑張らなければ。

俺は本当の意味で、一家の主になるんだから。


< 130 / 419 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop