幸せ家族計画

 総合病院の大きな駐車場に車を停め、建物の中に入る。
すぐに案内表示をみつけ、産婦人科の場所を確認した。

紗彩は、一度来たことがあるからか、すぐにエレベーターの方へ歩いて行ってしまった。

颯爽と歩くその後姿は今までの紗彩と特に変わりがない。

なんか、実感が沸かないな。
紗彩のお腹に本当に赤ん坊が居るんだろうか。


サユが紗彩の後について行って、新生児室の前で止まる。


「赤ちゃんだ」

「見えるか?」


サユを持ち上げてやると、ガラスに貼りついて赤ん坊を凝視する。

その真剣な顔が可愛い。
サユは、何しても可愛いなぁ。

ガラスの内側には5人の赤ん坊たちが居る。
そのうちの手前の二人がどうやら双子らしい。

あと10ヵ月後には、俺たちの赤ちゃんもこうしているのかな。

そう考えるとなんか、くすぐったいような感じがするのは何故なんだろう。


「サユちゃん?」


少年の甲高い声とともに、サユが嬉しそうに振り向く。

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