幸せ家族計画
「すいませんね」
サトルの父親は、一見30代前半といったところか。
物静かで優しそうという印象だ。
「いいえ」
軽く世間話をしながら、喫煙コーナーへ入る。
途端に煙草の匂いが体中にまとわりつく。
またサユに臭いって言われてしまうんだろうか。
ゆっくりと煙草をふかし、溜息かと思えるほど長い煙を吐き出した中津川さんは、俺を見て苦笑した。
「実はね、俺たち二人目不妊だったんです」
「え?」
「サトルの兄弟。ずっとつくってやりたくて。
……でもずっとできなくて、調べたのが3年前です」
「そんな事あるんですか?」
一人妊娠してるのに、二人目が授からないなんて事あるのか?
中津川さんはもう一度煙を吐き出すと、視線を足元に移した。