幸せ家族計画


 ノックをして病室に入ると、そこにはベッドに横たわる女性と椅子に座り彼女と話をしている男性の姿があった。
この二人が、サトルの両親なのかな?


「こんにちは、中津川さん」

「あらぁ、横山さん……じゃなくて。葉山さんになったんだったね」


サトルの母親はあっけらかんとした声を出し、俺たちを近くに呼び寄せた。


「あら、再婚した旦那さん? すっごいカッコイイ。やるなぁ」

「あはは。そんな事。
サトルくんのパパさんだってとっても優しそうで素敵」


旦那の褒め合いに興じる二人は放っておこう。


「こんな素敵な旦那さんとなら赤ちゃんもできるわよねぇ」

「サトルくんのママこそ、いつまでも仲良しなんじゃない!」

「あー」


少しだけ、声のトーンが下がる。
するとサトルくんの父親がスッと立ち上がり、俺に向き直る。


「葉山さん、煙草吸う方ですか?」

「ええ」

「じゃあ、一服しに行きません?」


ここで突然煙草の話が出るのは不自然だ。
おそらくは女同士で話をさせてやろうということなのだろう。

俺は頷いて一緒に病室を出た。
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