幸せ家族計画
「だってサユの事が大好きだからさ」
「お父さん……」
じゃあ。
お父さんはママの事も好きだから。
ママが好きなパパにもヤキモチ焼くのかな。
そうしたらやっぱり、パパとお父さんを同じ丸にいれたらダメ?
「サユ?」
お父さんが優しい目でわたしのことを見てる。
いつもだったらすごく嬉しいのに。
今は何だか複雑な気分。
『お父さんはパパにヤキモチ焼くの?』
そう聞いたら、お父さんは悲しむかな。
イヤだなぁ、わたし、お父さんの悲しそうな顔見たくないよ。
「サユ、どうした?」
「あ」
後ろに持っていたノートが手から滑り落ちる。
鉛筆を間に挟んでいたから、丁度描いていたページが開いてしまった。