幸せ家族計画


「だってサユの事が大好きだからさ」

「お父さん……」


じゃあ。

お父さんはママの事も好きだから。
ママが好きなパパにもヤキモチ焼くのかな。

そうしたらやっぱり、パパとお父さんを同じ丸にいれたらダメ?


「サユ?」


お父さんが優しい目でわたしのことを見てる。

いつもだったらすごく嬉しいのに。
今は何だか複雑な気分。

『お父さんはパパにヤキモチ焼くの?』

そう聞いたら、お父さんは悲しむかな。

イヤだなぁ、わたし、お父さんの悲しそうな顔見たくないよ。


「サユ、どうした?」

「あ」


後ろに持っていたノートが手から滑り落ちる。

鉛筆を間に挟んでいたから、丁度描いていたページが開いてしまった。


< 217 / 419 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop