幸せ家族計画

お父さんはすぐにそのノートを拾って、じっと見ている。

どうしよう。


「サユ、これ……」


お父さんの眉が寄る。

ああ、ヤダ。
わたしがこんな顔させてるなんて。


「ちがう。あの、あのね」

「サユにとって、俺は同じ輪の中に入ってないのか?」

「う……」


どうしよう。
ちゃんと言わなきゃ。
上手く話せなくても言わなきゃ。


「わたし、サトルくんに『本当のおとうさんじゃないのに』って言われて。
それでわかんなくなったの」

「何が?」

「わたし。一つの丸の中に、パパもお父さんも一緒にいていいんだと思ってた。
家族は一杯いてもいいでしょ?

だけど、『ふうふ』は二ついたらおかしいのかなって……」


< 218 / 419 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop