幸せ家族計画
お父さんはすぐにそのノートを拾って、じっと見ている。
どうしよう。
「サユ、これ……」
お父さんの眉が寄る。
ああ、ヤダ。
わたしがこんな顔させてるなんて。
「ちがう。あの、あのね」
「サユにとって、俺は同じ輪の中に入ってないのか?」
「う……」
どうしよう。
ちゃんと言わなきゃ。
上手く話せなくても言わなきゃ。
「わたし、サトルくんに『本当のおとうさんじゃないのに』って言われて。
それでわかんなくなったの」
「何が?」
「わたし。一つの丸の中に、パパもお父さんも一緒にいていいんだと思ってた。
家族は一杯いてもいいでしょ?
だけど、『ふうふ』は二ついたらおかしいのかなって……」