幸せ家族計画


「で、サトルくんの事はどうする?」

「え?」

「また会いに行くか?」

「うーん」


それはちょっと怖い。
だってわたしやっぱりお父さんの話ばっかりしてしまうかも知れないし。


「しばらくやめとく」

「そう。分かったよ」


お父さんは、それ以上しつこくは聞いてこなかった。

背中を押されて、キッチンにいるママのところまで戻る。

途中からすっごくいい匂いがしてきた。

わあ、今日はわたしの好きなハンバーグだ。


「ママ! いい匂い!」

「紗優。良かった。元気になった?」

「うん! それと聞いたよ。ママのお腹に赤ちゃんいるの?」

「え?」

「ごめん、言っちゃった」


ママがお父さんを一睨み。

ダメだよ、ママ。
お父さんがしょげちゃうよ。


「わたし、嬉しいよ。兄弟出来るの!」


そう言ったら、ママの顔が笑顔になった。

お父さんがわたしの頭を撫でてくれる。

えへへ。
わたし、いい仕事してるでしょ?

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