幸せ家族計画
ママのお腹を撫でてみる。
でもまだ全然分からないなぁ。
「紗優を頼りにしてるからね。
だって、私赤ん坊産むの8年ぶりぐらいだもの。もう忘れちゃったよ」
「えー、そうなの?」
「だから、紗優も手伝ってね」
「分かったー」
その日、ママは一緒にお風呂に入ろうって言ってくれた。
二人で湯船につかると、何だか狭く感じる。
わたしが大きくなったのかな。
「ねぇママ。パパってわたしの事好きだった?」
「なあに、いきなり。大好きだったわよ。
あの人、紗優が生まれた時泣いてたわ。
そっぽ向いてしらばっくれてたけど本当に嬉しかったんだと思うわよ?」
「じゃあさ、わたしがお父さんの事好きになったら、悲しいかな」
「え?」
わたしが体の向きを変えると、水面が揺れる。
ママの白い肩に、水滴がパシャンとついた。
「そうね、ヤキモチは焼くかも。私も時々妬けるわ。だって紗優と英治くん、すごく仲良しなんだもん」
「そうなの?」
「そうよ。私の方がずっと紗優と一緒にいるのに、後から来てずるいわって思う」
「お父さんにヤキモチ焼いてるの?」
びっくり。
ママもそんな事思うんだ。