幸せ家族計画


「ちゃんとお願いしてくんない?」


紗彩の顎に人差し指を当てて持ち上げる。
彼女の、困ったような嬉しいようなそんな中途半端な顔が面白くてたまらない。


「お、お願い……?」

「そう、お願い」


にやりと笑ってダメ押しする。
目を右往左往させていた紗彩が、観念したように隣で姿勢を整える。


「英治くん、代わりに資料つくってくれる?」

「もうひと押し」

「お、お願い」


小首を傾げて、上目づかい。

やるな紗彩。
かなりグッときた。

その唇に軽くキスをして。「いいよ」と横からPCを奪い取る。


「どれどれ、何をつくればいいんだ?」

「えっと、この行事予定をまず入力して。
そのうちのPTAが主催でやるものについては詳細を入力。
連絡系統とか、引き継ぎの時にあると楽なものを書いていけばいいかなって思うんだけど」

「おっけ。わかんなくなったら聞くよ。これ、メールで転送して。紗彩は会社の仕事もあるんだろ?」

「うん」

「今部屋からPCとってくる」


立ち上がり、寝室に置いてある自分用のPCを持ってくる。
我が家はお互い仕事人なので、PCはそれぞれ一人ずつ持っている。

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