幸せ家族計画
その時だ。
玄関の呼び鈴が鳴った。
「ちょっと出てくる。そろそろゲームは終わりにしなさい!」
「はーい」
お母さんみたいな口調でそう言って、玄関へと急ぐ。
この時間なら宅急便とかかな。
二度手間になるのは嫌なので、リビングから印鑑をとってから行く。
「すいません。お待たせしまし……」
「こ、こんにちは」
扉を開けたその場所にいたのは、背の高い男の子。
癖のある柔らかそうな髪、目鼻のくっきりしたオリエンタルな顔立ち。
「サト……ルくん?」
「サユちゃん、久しぶり。あの。えっと。弟たちがお邪魔してるんだって?
俺、母さんに『春休みなんだから迎えに行ってきて』って言われて……」
「そう、なの?」
び、びっくりした。
あんまりにも驚いたから、手に力が入らない。
頭一つ分くらい違うサトルくんの顔は見上げないと見ることが出来なくて、そうしてるうちに私の手からは印鑑が落ちる。